クチパク、アテフリ、アンコール

こんにちは。


冷凍都市の札幌は年明けから12月の遅れを取るように容赦ない雪。
仕事もほどほどに雪山にパウダーを喰らいに行きたい悶々と午後。
吹雪の中、envyでも聴きながら太ももまでの深雪の上を飛ぶ。
天気が良いときに仲間とわいわいすべるのも良いけど、
天気が悪い中、好きな音楽を聴いて一人で滑るのも結構好きだ。


さて、
未だこのブログの方向性が定まらない中、よーすけさんが自身のブログに非常に興味深い記事を書いていたのでそれに便乗してみようと思う。


まずはよーすけさんのブログをご覧いただければ。

※よーすけさんのブログ↓
http://yo-suke.in/ ※2011.1.6の記事


年末は紅白歌合戦やなんやら色々音楽番組を見るのだが、
正直音楽番組って定義自体がもうとっくの前に無くなっている。


口パク(歌ってるフリ)とアテフリ(演奏しているフリで)ばかりである。
まず生放送の番組で生演奏を聴くことなんてここ10年以上、めっきり無くなった。
音楽チャンネルなどのLIVE中継などはもちろん除いての話だが。


生演奏を収録するとなると大変である。
まず1曲の為に、ワンマンライブのようなサウンドチェックが必要になってくる。
本番中もエンジニアがかなりシビアな仕事を求められるし、
なによりアーティストの拘束時間が何倍にもなり、本番中に機材にトラブルが起これば、そのパートは音が出なくなり・・・もう大変なことになる。


ミュージックステーションなどで生演奏するアーティスト(※もちろんアーティストの意向)もたまに見かけたが、最近の放送を見る限り、それすら限りなくゼロに近づいている。
そういえば、ミュージックステーションでの生演奏といえば邦楽ロック好きにはまず「タトゥー事件」を思い出す・・・まぁ、この話は良いや。

ツイッターを始めた頃、TLでフォロワーの皆さんが「東京事変がMステに出る!」「今夜は見逃せない!」なんていっていたが、試しに観たら案の定、椎名林檎のカラオケである。
そもそも期待なんてしていない。椎名林檎は好きである。一応言っておく。


全てビジネスであり宣伝である。それはもちろん理解してるつもりだ。


ミュージックステーションとか見てホントに演奏していると思ってる人って結構いる。
もちろん自分が過去にそのような判別がつくような勉強、仕事をしていたからそんなことを思うのかも知れない。アテフリ=あたかも弾いているような「フリ」をする。
要するに「騙し」である。
アーティストだってもちろん好きで騙しているわけではない。ビジネスである。
ただ、どのような事情があってもあのギターからは音は出てないし、あのギタリストは飾りである。
これを製作の都合上しょうがないことと思うのか、視聴者をを騙していると思うか。
マイク1つ立っていないドラムセットで懸命に叩くドラマーをみて皆はどう思ってるんだろうか??
てか最近は音を拾ってもいないマイクをシンバルの上にカモフラージュの為にセッティングしている場合がある。
最低だ。



それに比べてフジの「僕らの音楽」やNHKの「SONGS」「トップランナー」など、そんな小細工なしで音楽というものを扱ってる番組があるのはわずかな救いなんだろうけど。あれが無くなったら民放でホントの生演奏した音楽を聴ける番組って行ったら、のど自慢とかだけになるだろう。
ちなみに昔仕事でのど自慢の現場に行ったことがあるのだが、バックバンドの皆さんの演奏技術の高さに腰を抜かせそうになったことを思い出した。あのおっさん達只者じゃありません。ほとんどリハやらないで本番なんだから。

あ、脱線失礼・・・

口パクに関してはもはや論外である。これは聴いている側をバカにしているとしか思わないし。そんなアーティストに価値はない。てかアーティストではない。パフォーマーとしてみればいい。
例のテクノポップ3人娘も音楽には興味はあるが、人にはさほど興味はないのである。
というか最近は曲も面白みが無くなり興味がないのが本音。



売れれば売れるほどつまらなくなる。これが日本の今のエンターテイメントなのかも知れない。
それだけ余裕がないんだろう。バラエティもニュース番組もドラマもJ-POPSもそうだ。
ある一線を越えてしまったような感覚を5、6年前位に感じた。


話は脱線したけど、そうそう、ライブ・コンサートでのアンコールの話。
今ではアンコールありきでSETLISTが組まれている。
もちろんアンコールはやらない!っていうアーティストさんもいるんだろうけど・・・
うーんこれに関しては、どっちとも言えないかなぁ。
ただ個人的にはアンコールでツアーTシャツとかで出てくるのはあんまり好きじゃないのですが、
元裏方としての意見としては、本編の終盤で代表曲などを連発して、一旦また落ち着いた雰囲気で新譜の曲をやりたい時の「場面転換としてのアンコール」っていうのが結構あるのでそれに関しては大いにアリだと思ってる。


よーすけさんが音楽フェスでのアンコールは嬉しいと書いてありますが、
僕が昔関わった事のある某北海道のフェスでは「そのステージのタイムテーブルの最終出演者はアンコールOK」「出演時間内で本編とアンコールを分けるのはOK=※演出としてのアンコール」というルールが確かあったはず。


ちなみにこれを破ったアーティストは確か今までいないはず・・・あ、一回だけくるりがとんでもなく時間オーバーしてやってて(※確信犯)ステージ脇のイベンターさんがものすごい表情してたのを憶えてる。


別に自慢したいわけではないが色々裏の事情や段取りを知ってしまった故に一人のオーディエンスとして「ライブ」を純粋に楽しめることがホントに少なくなった。今でもそうだ。
開場して開演まで、暗闇のステージの中でのスタッフの作業を見たら、だいたい○分押しだな。トイレ行こう。
とか分かってしまうのが便利なようで実は客としての「ドキドキワクワク」感を削いでしまうのだ。
フェスの次のステージの準備(転換中)のサウンドチェックで、「あ、ゲスト有りだ」なんて分かりたくもないことに気が付いてしまう。


今でこそライブに足を運ぶことが少なくなったけど、もしこれを読んでるあなたが業界の人じゃなかったら、
多分誰よりもライブ(コンサート)というものを体験してると思う。
仕事にしてた時は年間200本位、演歌からインディーズバンドのイベントまで見てた。
その経験が今では非常に邪魔だ。邪魔でしょうがない。何もかも斜に構えて観てしまう。


斜に構えるてモノを観るというのは場面によっては非常に重要だけど、
斜に構えて分析してモノを観るのが習慣(※クセ)になっている人を目の前にすると自分のことは棚に上げて言うのもなんだが、結構苦手です。

多少伝え手の誇張した部分に騙されているくらいの方が案外色々と楽しめるのかも知れない。


というわけで、全く訳が分からない方向に話が向かってきたので、この辺にしておこうと思う。


何が言いたいかと言うと、



大人の都合の為の「まやかし」や驚きでもなんでもない「予定調和」にうんざりしている自分がありながらも、
もう少し素直に・・・ある意味表面だけを都合よく受け止めれたら、意外と色々楽しめるのかも知れない。
なんて思ってるけど。



そんなことできない。もう。